まず、統計によってわかる日本の公立図書館の現状をざっと見ておきましょう。
以下は、『日本の図書館:統計と名簿 2017』(日本図書館協会、2018.2)によります。これは、日本図書館協会の図書館調査事業委員会が2017年4月1日を基準として行った調査の結果です。
公立図書館数
3,273館。
設置率
都道府県別に見た自治体の図書館設置率の平均は76.2%で、最高は100%、最低は50.8%。
市区の設置率は全国平均で98.9%で、図書館のないのは8市。
町村の設置率は56.3%。
設置率が100%の都道府県は、富山・石川・福井・滋賀・鳥取の5県。
設置率が低いのは、北海道と青森・福島・熊本の3県で、いずれも50%台です。
職員
専任職員に占める有資格者(司書)の比率の全国平均は、52.0%。
比率の高い県は、滋賀(81.3%)・岡山・徳島・山梨・神奈川(63.3%)などです。
専任職員1人当りの人口が少ない県は、福井(6,300人)・石川・滋賀・山梨の4県と東京都(8,600人)です。
蔵書
人口100人当りの蔵書の全国平均は344冊。
人口100人当りの蔵書が多い都道府県は、福井(722冊)・滋賀・鳥取・山梨・徳島(519冊)など。
人口1,000人当りの受入冊数(2016年度)が多いのは、福井(239冊)・鳥取・東京・滋賀・岡山(190冊)の都県です。
登録率
この場合の登録とは、図書館で本を借りる時などに必要な利用カードを手に入れる手続きのことです。
登録率の全国平均は41.1%。
登録率の高い県は、山梨(74.5%)・福井・宮崎・滋賀・埼玉(56.9%)など。
山梨県の登録率74.5%は、県民の4分の3が利用登録をしていることになります。ただし、近年の公立図書館では、他の自治体の住民にも登録・貸出を認める例が増えています。
館外個人貸出
全国平均は人口100人当り526.5冊。1人当りでは5.27冊となります。
人口100人当りの貸出数が多いのは、東京都(840冊)、滋賀県、大阪府、愛知県、山口県(600冊)などです。
目立つ県