図書館ごくらく日記

図書館に関するいくつかのトピックス

開館日数

 全国的には、週に1日に加えて年末年始、蔵書点検期間を休館日とする公立図書館が多いと言えますが、同時に、開館日数についてはかなりバラエティ豊かでもあります。

 

開館日数の多い図書館

 休館日のない公立図書館が現れています。

 多賀城市立図書館本館(宮城県)、海老名市立中央図書館(神奈川県)、高梁(たかはし)市図書館(岡山県)、萩市立萩図書館(山口県)、武雄市図書館(佐賀県)などです。

 このうち、萩市立萩図書館は萩市NPOとが共同運営をしていますが、それ以外の4館は市の直営ではなく、TSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が市の委託を受けて運営しています。

 そのほか、小さな自治体には、「原則として休館日がない」とする公民館図書室などを置いている例が少なくありません。

 

 開館日数の多い(休館日の少ない)図書館にもいろいろなケースがあります。

 休館日を年末年始だけとしているのは、立山町立山図書館(富山県)や江府町立図書館(鳥取県)です。

 休館日を年末年始と蔵書点検日(または特別整理期間)だけとしているのは、市立士別図書館(北海道)、阿賀野市立図書館(新潟県)の笹神図書館、茂原市立図書館(千葉県)、霧島市(鹿児島県)の国分図書館などです。

 

 休館日を月に1日のほか、年末年始と蔵書点検日としている図書館は、45の自治体にのぼりました。そのうちのいくつかを挙げますと、東京都の港区立図書館(6館)、品川区立図書館(7館)、川崎市立図書館(神奈川県、7館と5分館)、吹田市立図書館(大阪府、中央館+6館)、羽曳野市立図書館(大阪府、中央館+4館)、福山市図書館(広島県、中央館+6館)などがあります。煩雑を避けるため、例示は該当する館数の多いばあいに限りました。

 

 そのほか、「年末年始と月に1日のみ休館」や「年末年始と祝日のみ休館」とする図書館がそれぞれ数館ありました。

 年末年始・蔵書点検期間と月に2日を休館日とする図書館は、27の自治体にありましたが、具体例は省きます。

 

開館日数の少ない図書館

 滋賀県には週に2日休館する図書館が少なくありません。同県の19市町中、7市町の図書館(36.8%)と県立図書館が週に2日の休館日となっています。聞くところによりますと、図書館関係予算の削減によってやむなく休館日を1日増やしたようです。ひとつの自治体に複数の図書館があれば、そのうちの1館が必ず開館するように工夫しているとのことでした。

 そのほか、大阪府奈良県和歌山県沖縄県に、週に2日休館する図書館があります。

 

珍しい開館日・休館日の図書館

 岩手県立図書館は、月に1日だけの休館が7か月、2日だけの休館が2か月あり、1月は3日間、3月は7日間、12月は4日間の休館となっています。

 石川県立図書館の休館日は、「全館が休館日なし」の月があり、1日だけの月(5か月)、2日だけの月(2か月)がある一方、4~5日休館する月が4か月あり、かなり変則的のように思われます。

 東大阪市立図書館(大阪府)の永和図書館は同市で最初に開設された図書館で、「定例休館日なし」となっています。他の2館は週に1日の休館日です。

 8館からなる三次市立図書館(広島県)のふだんの休館日は週に1日で、小中学校の長期休暇中(たとえば8月)は休館日がありません。

 土佐清水市立市民図書館(高知県)の休館日は曜日が決まっておらず、日数も月に1日、2日、3日など、決まっていません。

 薩摩川内(さつませんだい)市立中央図書館(鹿児島県)の休館日は毎月第4木曜日ですが、休館日であっても午後5時~9時は開館します。ということは、「休館日なし」に相当するのかもしれませんね。また、8つの分館(公民館や役場支所などにある)は原則として第3日曜日のみ休館します。

 鹿児島県の大崎町立図書館と南大隅町根占図書館は、夏休み期間中は休館日がありません。

 沖縄県の公立図書館は、すべて「慰霊の日」(6月23日)に休館します。慰霊の日は、1945年に沖縄戦終結した日で、沖縄県が定めた記念日です。1991年に県が休日条例で定めたことにより、役所や学校は休みとなります。