日本の公立図書館での複写(コピー)サービスはおおむね次のようになっています。このサービスに関する限り、日本の公立図書館はほぼ画一的と言えるでしょう。
モノクロ(白黒)コピーのばあいは、1枚10円から30円の幅の中にあり、圧倒的に多いのは1枚10円です。10円以外でいちばん多いのは20円でした(59館)。
用紙のサイズによって料金の異なる図書館がわずかながらあります。
島根県立図書館や山口県立山口図書館のように、コピーする人によって料金が異なる例もあります。ともにセルフコピーが10円、職員代行コピーが20円ですが、島根県立図書館のばあいは、地図・画集・写真集・新聞など、「慎重な取り扱いが必要と思われる資料」に限って職員がコピーすることになっています。
カラーコピーのばあい、1枚20円から200円の幅の中にあり、最も多いのは1枚50円です。50円以外ではおおむね60円から70円の幅の中にあり、そのほか100円が19館、30円が9館でした。
用紙のサイズによってカラーコピーの料金が異なる図書館はわずかしかありません。また、カラーコピーができない図書館が散見されます。
コピー機があまり普及していなかったころ、図書館での本や雑誌のコピーは、ほとんど職員が行っていました。この方法は、資料が傷みにくく著作権の侵害が発生しないという利点はありますが、利用者にとってセルフサービスより時間がかかり、職員にとって金銭の受け渡しと毎日の集計などが煩雑だという欠点があります。
ということで、今では図書館資料のセルフコピーを認めない図書館はほぼ皆無になっています。
最近になって、カメラやスマホで図書館の資料を撮影できる図書館が現れてきました。
糸魚川(いといがわ)市民図書館(新潟県)=「複写機による複写のほかにカメラ等による複写も可能です。」
愛媛県立図書館=「ご持参のカメラで撮影いただけます(無料)。 カウンターにお申し出ください。資料複製申込書をお渡しいたします。」
佐賀県立図書館=「よくある質問」への回答で、「自分のデジカメ、スマホ等で資料を撮影すること」をふつうのコピーと同じように受けつけ、「撮影時のシャッター音が周りの利用者の迷惑になりますので、申し込みいただいたときに、周りの利用者の方の迷惑にならないよう撮影場所を指定させていただきます」としています。
どのような方法でコピーをとるにしろ、資料を傷めないようにするほか、注意しなければならないのは、著作権の問題です。説明を始めると長くなりますのでここには書きませんが、図書館のウェブサイトを読むなり、職員の説明を聞くなりして、著作権の侵害にならないようにしましょう。